北海道檜山郡上ノ国町といえば、昨今、新聞配達員がクマに襲われたということで、全国的にも有名になった町だ。そもそも、クマというものは、怖い。道産子は、昔からクマの怖い話を両親から、語り継がれているため、共通認識として、クマ=恐ろしいイメージが否めない。
クマ牧場、イェ~ィ♪なんてCMしてる場合でもない。そういえば、登別のクマ牧場さんも、CMを自粛している。話は横道にそれたが、今回は、そんな上ノ国町の名湯、湯ノ岱温泉の紹介だ。
山あいの静かな環境で、地元の人々や温泉愛好家に長く親しまれている秘湯といえる。
湧き出るお湯は、遊離二酸化炭素を豊富に含んだ希少な炭酸泉。肌に細かい泡が付着する感触を楽しめる。天然のナノバブルみたいな感じか。
温泉成分が床や浴槽の縁に堆積して、実に芸術的な光景が見られる。この石化したような見事な析出物が見られるのが最大の特徴であり、泉質の濃さの証でもあるのだ。
源泉かけ流しのぬるめの浴槽、加温された熱めの浴槽などが楽しめる。
源泉かけ流しの、4人も入ればいっぱいになる浴槽に、地元の20代前半の女子、そして彼女の祖母と思われる方に交じり、泡が出まくりの、特等席をあけて入れてもらった。
「ここ、泡一杯だから、ここくればいいっしょ。」満面の笑みの女子。
話はいつしか、話題のクマ談義に。
と
温泉で英気を養ったのか?!彼女が声高らかに祖母に宣言した。
「私、マタギになる!!!!!!」
(うっ、ほっ、マジか!)心の声を抑えながらも
若干、吹き出してしまった私をよそに、彼女は、得意げな表情だ。
こういうの、結構楽しい。
いやしかし、地元の方々にとっては、切実な問題なのだ。
温泉にも「オーラ」というか、気のようなものが存在すると私は思っている。
ここのオーラは茶色です(それ、お湯の色やん)
それは冗談で、日常の疲れをゆったりと拭い去る、そんな優しさをこの温泉は持っている。
函館市から車で約80分ほど、ぜひ足をのばして、秘湯の魅力を味わってみて欲しい。
地元の方々とのふれあいも、プラス魅力なのかもしれない。
がんばれ。マタギ女子!
上ノ国町国民温泉保養センター(通称:湯ノ岱温泉)
https://www.town.kaminokuni.lg.jp/hotnews/detail/00000167.html